目白駅周辺の近代レトロ建築を探訪する
2024年7月、サイトのリニューアルに伴い加筆修正しました。
目白エリアでは自由学園や学習院といった教育機関や教会などのレトロ建築が震災、空襲をくぐり抜け残っています。今回は住宅街の中でひっそり目立たずに残るレトロ建築をピックアップして訪れました。広くないエリアに点在しているので少しの空いた時間で巡ることができます。
訪れた近代レトロ建築は…
- 自由学園 明日館
- 徳川黎明会
- 日本聖公会目白聖公会
- 日本バプテスト目白ヶ丘教会
- 旧学習院昭和寮 (日立目白クラブ)
テーマ別の東京レトロ街歩きガイド&マップの「Th-07今に残る近代レトロ建築」に収録されています。この中で目白周辺に絞り、今に残る近代レトロ建築を辿ります。
自由学園 明日館
竣工は1921年(大正10年)、設計はフランク・ロイド・ライト。現存する数少ないフランク・ロイド・ライト設計の建築で、ほぼ完全な姿で残っている点でも貴重で国重要文化財です。
羽仁もと子、吉一夫妻が創立した自由学園の校舎として巨匠フランク・ロイド・ライト、その弟子の遠藤新の設計により建設されました。中央棟、講堂など4棟で構成。すでに学園は移転し、内部を含め有料で公開されています。当日は休館日に当たってしまいましたので道路からの撮影になりましたが、道路からでも十分その美しさは観察できます。
Pic.自由学園 明日館の全景
Pic.自由学園 明日館
Pic.自由学園 明日館
Pic.自由学園 明日館
自由学園明日館の前の道はフランク・ロイド・ライトの小路という洒落た名前です。この路地を進み、目白駅の方へ向かう途中の住宅街の中に徳川黎明会があります。
徳川黎明会
竣工は1932年(昭和7年) 、設計は国立博物館本館や第一生命館、銀座和光を手がけた渡辺仁。
尾張徳川家伝来の美術品・文献資料等の収集・保管管理をしています。渡辺仁設計の西洋館は麻布から移築しました。非公開のようで敷地内には入れませんが、門の外からある程度外観をうかがうことができます。
Pic.徳川黎明会
Pic.徳川黎明会
車の写り込みが残念ですね。
Pic.徳川黎明会(車の写り込みを避けて)
細い住宅地の路地から目白通りに出てます。左方向のJR目白駅方面へ少し歩くと、目白通り沿いに日本聖公会目白聖公会があります。
日本聖公会 目白聖公会
竣工は1929年(昭和4年) 、設計は坪井正太郎。英国国教会と関わりの深い一派である日本聖公会に属します。美しいロマネスク様式の建物は戦災による焼失を免れ、 東京にある聖公会の中で唯一の戦前からある教会です。
Pic.日本聖公会 目白聖公会の全景
Pic.日本聖公会 目白聖公会
Pic.日本聖公会 目白聖公会
JR目白駅まで歩き、直前の路地を高田馬場の方へ進みます。線路沿いから細い急坂を登りながら日本バプテスト目白ヶ丘教会へ向かいます。
日本バプテスト目白ヶ丘教会
竣工は1950年(昭和25年) 、設計はフランク・ロイド・ライトの弟子の遠藤新。
バプテストはキリスト教プロテスタント最大の教派です。礼拝堂は遠藤新の設計でフランク・ロイド・ライト様式の建物で、自由学園明日館と似た瀟洒な雰囲気を感じます。
Pic.日本バプテスト目白ヶ丘教会の全景
Pic.日本バプテスト目白ヶ丘教会
Pic.日本バプテスト目白ヶ丘教会
Pic.日本バプテスト目白ヶ丘教会
同じ道筋の100mも離れていない突き当たりに旧学習院昭和寮があります。
旧学習院昭和寮 (日立目白クラブ)
竣工は1928年(昭和3年) 、宮内省の設計で学習院高等寄宿舎として建設されました。
当時流行していたスパニッシュスタイルの建物で、アールデコ調の美しい曲線装飾が特徴です。改修されていますが、今も創建当時の雰囲気を保って日立関係者の催事や結婚式場として使われています。
Pic.旧学習院昭和寮 (日立目白クラブ)の全景
Pic.旧学習院昭和寮 (日立目白クラブ)
Pic.旧学習院昭和寮 (日立目白クラブ)