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江戸東京ブログ

カトリック赤羽教会

北区の近代レトロ建築を探訪する

板橋、十条、赤羽、王子は戦前には陸軍造兵廠、陸軍被服本廠がおかれて一帯は広大な軍事工場地帯だったという特色のあるエリアです。軍都の痕跡も多いのですが、それは別ブログにします。今回は地味な印象が強い北区で、決して有名ではなく目立たずに住宅地の中に溶け込み点在する明治、大正、昭和のレトロ建築を探訪します。

訪れた近代レトロ建築は…

  

     

  • 神召キリスト教会 (北区滝野川)
  •  

  • 亀の子束子西尾商店 (北区滝野川)
  •  

  • カトリック赤羽教会 (北区赤羽)
  •  

  • 旧大蔵省醸造試験所 (北区滝野川)
  •   

東京街歩き 散歩コース&マップには「B-3-11 レトロ建築 王子 池袋 今に残る近代レトロ建築」コースがあります。この中で北区にある、今に残る近代レトロ建築を辿ります。

北区とはいえ、アクセスはまずJR板橋駅からスタートします。駅からほど近くの神召キリスト教会へ向かいます。

神召キリスト教会 (北区滝野川)

竣工年は1927年(昭和2年)。米国宣教師 C.F.ジュルゲンセン師によって建てれたアッセンブリー教団発祥の教会です。

正面の壁から出ている4本ある柱の上部が槍のような形にしているのがゴシック様式の造形で、教会を表す外観になっています。

神召キリスト教会
Pic.神召キリスト教会の全景

神召キリスト教会
Pic.神召キリスト教会

神召キリスト教会
Pic.神召キリスト教会

ここから旧中山道に出て、巣鴨方向へ歩いて5分ほどで亀の子束子西尾商店があります。

亀の子束子西尾商店 (北区滝野川)

竣工は1922年(大正11年)。

亀の子束子は1907年(明治40年)に創業者、西尾正左衛門により発明されました。木造2階建ての建物で東京ではもうほとんどない関東大震災前の貴重な建物です。現在も亀の子束子本店の直営店として現役の建物というところが凄いです。

亀の子束子西尾商店
Pic.亀の子束子西尾商店の正面

1階部分が亀の子束子本店の直営の店舗になっています。

亀の子束子西尾商店
Pic.亀の子束子西尾商店(側面から)

再びJR板橋駅に戻り、埼京線でJR赤羽駅へ。赤羽駅からほど近くの赤羽スズラン通り商店街に隣接してカトリック赤羽教会があります。

カトリック赤羽教会 (北区赤羽)

竣工は戦後の1951年(昭和26年)。正式名称は「被昇天の聖母カトリック赤羽教会」。

第二次世界大戦の敗戦後、東京大空襲で壊滅した工場跡をサムエル・ローゼンバイゲル神父が、アメリカからの寄付金で購入し、修道院、聖堂、幼稚園が次々に建設されたということです。

カトリック赤羽教会
Pic.カトリック赤羽教会の全景

カトリック赤羽教会
Pic.カトリック赤羽教会(尖塔部の拡大)

カトリック赤羽教会
Pic.カトリック赤羽教会

またJR赤羽駅へ戻り、今度は京浜東北線でJR王子駅へ向かいます。

王子駅に隣接して飛鳥山公園があります。渋沢栄一の飛鳥山邸が有名ですが、この訪問は別ブログで紹介します。王子駅から明治通りを池袋方向へ10分ほど歩くと煉瓦造りの旧大蔵省醸造試験所があります。

旧大蔵省醸造試験所 (北区滝野川)

竣工は1902年(明治35年) 、設計は妻木頼黄。

醸造方法の研究や清酒の品質の改良を図る研究機関でした。試験所の中核施設となる第一工場は、一部三階建の煉瓦造で、大蔵省技師の妻木頼黄が設計・監督しました。躯体の煉瓦壁の一部に中空部分を設けて外部の温度変化の影響を受けにくくし、リンデ式アンモニア冷凍機を用いた空調設備を備えるなど、ビール醸造施設を応用した設計がなされているとあります。

建物は現在も使われているようでした。非公開ということでしたが、当日は門は開いており、建物横には説明板も整備されて外観は自由に見学できました。内部は立ち入りできません。

旧大蔵省醸造試験所
Pic.旧大蔵省醸造試験所の全景

旧大蔵省醸造試験所
Pic.旧大蔵省醸造試験所

旧大蔵省醸造試験所
Pic.入り口の説明板

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