谷中で見る 都心に生きる古木
2024年7月、サイトのリニューアルに伴い加筆修正しました。
東京レトロ街歩きガイド&マップには様々な視点からの歴史テーマを設定しています。その一つが「都心に生きる古木」です。郊外に行けば古木は当たり前のように見ることができます。しかし再開発など変化が激しく、排気ガスなどの環境も悪い都心では古木の存在は特別な感慨が湧き出てきます。今回は新緑の季節にテーマ別「Th-14都心に生きる古木」の中から谷中で生き抜く古木を訪ねました。エリア別では「Ar-19谷中から根岸、千駄木を歩く」にも収録されています。
訪れた場所は…
- 延命院のシイ
- 谷中のまたぎクスノキ
- 大雄寺のクスノキ
- 金嶺寺のタブノキ
- 谷中のヒマラヤ杉
延命院のシイ
日暮里駅と夕焼けだんだんの間にある延命院。山門を入ってすぐ見つかります。樹齢:400年とも600年以上とも。高さ:16m 幹周5.5m。説明板にあるように老木で、大枝が崩落したこともあって多くの支えが必要なようで、枝の張り方や葉のつき方など見た目の迫力はイマイチでした。4月末で時期的に少し早かったのかもしれません。
Pic.延命院
Pic.延命院のシイ
Pic.延命院のシイ説明板
谷中は「谷根千」と言われて、下町風情を満喫できる人気のある観光地になってしまいました。また、寺町とも呼ばれて寺が多く、見どころには事欠きません。古木を訪ねる道すがら、メジャーな見どころもチラ見しておきましょう。
夕焼けだんだん
ど定番のアングルで写真を1枚。先を急ぎますので谷中銀座には行きません。ここまでです。
Pic.ど定番のアングルで写真を1枚
初音小路
昼でも暗い初音小路。昭和の飲み屋街のレトロ感がいまだ漂っています。ここも覗いておきます。
Pic.初音小路
観音寺 築地塀
築地塀はいわゆる練り塀で、瓦と粘土を交互に積み重ねて屋根瓦をふいた珍しいものです。江戸時代末頃に築造され、江戸有数の寺町だった谷中の当時の面影を伝えています。
Pic.観音寺 築地塀
谷中のまたぎクスノキ
樹齢:400年 高さ:23m 幹周:7m。妙雲寺と感應寺の二つのお寺を仕切る塀をまたぐように立っています。見るからに巨木で迫力があります。見学は感應寺側から入り、お墓の間を抜けると近くまでアクセスできました。
Pic.感應寺 奥に谷中のまたぎクスノキが見える
Pic.谷中のまたぎクスノキ
Pic.またぎクスノキの根元
大雄寺のクスノキ
樹齢:300年 高さ:20m 幹周:5m。 境内に入るとすぐ左側にあります。巨木で都内で一番大きいクスノキといわれています。枝の張り具合が見事で、見上げると巨大さが実感できます。根元に勝海舟、山岡鉄舟とともに幕末の三舟といわれた幕臣、高橋泥舟の墓があります。高橋泥舟の墓の写真撮り忘れました。次の機会には…。
Pic.大雄寺のクスノキ
根元右側に高橋泥舟の墓が写っています。
Pic.大雄寺のクスノキ
見上げると、空を覆う迫力に圧倒されます。
Pic.大雄寺のクスノキ
大雄寺の周辺には隣の谷中岡埜栄泉はじめ、旧吉田酒店、カヤバ珈琲、愛玉子など、谷中の「観光名所スポット?!」になっています。大正、昭和初期の町屋が随所に現存していますので、ぜひ見ておきたいものです。ここでは割愛しますが、近いうちにブログで追記したいと思います。
金嶺寺のタブノキ
樹齢は不明ですが、高さ:20m 幹周:5mの巨木です。本堂左手の墓地に枝葉を茂らせたタブノキが立っています。根元まで近づくと、幹が大きく空洞化してほとんど樹皮だけになっていました。
Pic.金嶺寺のタブノキ
Pic.金嶺寺のタブノキの根元
谷中のヒマラヤ杉
樹齢:90年 高さ:12m 幹周:3m。2019年の台風被害で枝が折れて大幅に剪定されてしまいました。また周囲の宅地開発計画のためヒマラヤ杉も伐採される計画もあるそうで、保存運動と一悶着ありそうです。何とも情けない姿になってしまいました。根元の「みかどパン」も閉店していましたし、観光スポット化していましたが、万事休すという感じです。
Pic.谷中のヒマラヤ杉の全景
Pic.谷中のヒマラヤ杉の根元
Pic.ヒマラヤ杉と閉店した「みかどパン」
あまりにも詫びしい姿になってしまったので、かつてのヒマラヤ杉の姿も載せておきます。
Pic.かつての谷中のヒマラヤ杉
Pic.かつての谷中のヒマラヤ杉
根元の3本の太い幹のうち、左の幹が2019年の台風で折れてしまったようです。その後に予防措置として大規模な剪定が行われたようです。